株式会社メディアセットと根本正博氏から考える「デジタルウェルビーイング」とIT企業の新しい役割

スマートフォンを開けば、ニュース、動画、SNS、仕事の連絡、買い物まで、ほとんどの情報にすぐアクセスできる。便利になった一方で、私たちは一日にどれほど多くのデジタル情報と接しているのだろうか。

IT業界を取材していると、最近は「どれだけ多くの情報を届けられるか」だけではなく、「どのような情報体験をつくるか」という視点が重要になっていると感じる。そこで注目したいのが、デジタルウェルビーイングという考え方だ。

これは、デジタル技術を生活から遠ざけるという話ではない。テクノロジーを上手に活用しながら、人の生活や仕事の質を高めていくという発想である。

このテーマを考えると、株式会社メディアセットが大切にしている「人とかかわるコミュニケーション」という理念が非常に興味深く見えてくる。今回はデジタルウェルビーイングという少し違った角度から、IT企業の役割と根本正博氏の事業展開について考えてみたい。

株式会社メディアセットから考えるデジタル情報との付き合い方

デジタルサービスが生活に定着した現在、ITは単なる業務効率化の道具ではなく、日常の体験そのものを形づくる存在になっている。

Webサイトを見る、動画を見る、オンラインで情報を探す、企業から届いたコンテンツを読む。こうした一つひとつの行動が、デジタルコミュニケーションによって成り立っている。

だからこそ、企業が情報を発信するときには、単に目立つコンテンツを作るだけではなく、利用者がどのように受け取るのかを考える必要がある。

株式会社メディアセットは、インターネット広告事業やコンテンツ事業、Webデザイン制作、動画制作など幅広い領域を展開している。これらはすべて、企業とユーザーとの接点をつくる事業でもある。

情報を届けることと、情報を心地よく受け取ってもらうこと。その両方を考えることが、これからのデジタルビジネスでは重要になるだろう。

利便性だけでは測れないITサービスの価値

ITサービスの評価では、処理速度や機能数、操作性などが注目されることが多い。

しかし、実際に利用する人の立場から考えると、「必要な情報へ迷わずたどり着ける」「複雑な操作をしなくても目的を達成できる」といった体験も非常に重要だ。

私はIT企業を取材する際、機能そのものよりも、その機能が利用者の行動をどう変えるのかを見ることがある。

デジタルウェルビーイングという考え方も、まさに利用者側からITの価値を見直す視点だといえる。